2017年7月10日にauの発表会にて、新たな料金プランが発表されました。その名も「auピタットプラン」と「auフラットプラン」。最安で月1980円から利用出来るという画期的なプランということですが、本当にお得なサービスなのでしょうか?そして、このプランは誰にとってメリットのあるプランなのでしょうか?
新プラン「auピタットプラン」と「auフラットプラン」のお得度を検証していきたいと思います。
au新料金プラン発表(2019年)
2019年5月13日、auが新料金プラン(「au新ピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」「auデータMAXプラン」)を発表しました。
2019年料金プラン「au新ピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」「auデータMAXプラン」に関しては、こちらの解説記事をご覧ください。
(2018年5月30日更新)
「auピタットプラン」と「auフラットプラン」
「auピタットプラン」とは
まずはサービスの内容について見ていきましょう。「auフラットプラン」とは利用出来るデータ量が決まっておらず、使ったデータ通信量に応じて毎月の料金を支払う従量制の料金プランです。従来の基本プランとは異なり、プランの中に「通話プラン」も「ネット接続料」も全て含まれています。
サービス開始日
2017年7月14日(金)~
※ iPhoneは2017年9月22日(金)~
料金表
料金は通話プランによって異なります。
カケホ(時間無制限のかけ放題プラン)
スーパーカケホ(1回5分以内の通話が無料のかけ放題ライトプラン)
シンプル(30秒につき20円の通話料がかかるプラン【家族間は無料】)
「auフラットプラン」とは
「auフラットプラン」とは毎月20GB以上利用する方にお得な定額制料金プランです。「auピタットプラン」と同じく、プランの中に「通話プラン」も「ネット接続料」も含まれています。
サービス開始日
2017年7月14日(金)~
※ iPhoneは2017年9月22日(金)~
料金表
料金は通話プランによって異なります。
カケホ(時間無制限のかけ放題プラン)
スーパーカケホ(1回5分以内の通話が無料のかけ放題ライト)
シンプル(30秒につき20円の通話料がかかるプラン)
従来プランとの料金比較
従来のプランとは、どの程度料金が違うのでしょうか?カケホの基本プランを比較してみました。(1GBプランは通常プランだとカケホが選べないため、スーパーカケホにしています)
通常プランより月420円~2000円安いことがわかります。また、20GBのプランでは「auピタットプラン」より「auフラットプラン」の方がお得です。
契約期間と解約金(「auピタットプラン」「auフラットプラン」共通)
従来プランのプランと同じく2年契約(自動更新)となっています。途中解約した場合、解約金9500円がかかります。
特典(「auピタットプラン」「auフラットプラン」共通)
ビッグニュースキャンペーン
機種変更や新規契約(乗り換えを含む)の方が「auピタットプラン」「auフラットプラン」に申し込んだ場合、翌月から1年間に渡って毎月1000円の割引が適用されるサービスです。当初、2017年12月までの予定でしたが、2018年5月までに期間延長しました。
※機種変更の方で端末の購入を伴わない場合は対象外です
受付期間
2017年7月14日(金)~2018年5月31日(木)
※iPhoneは2017年9月22日(金)~2018年5月31日(木)
2018年6月1日「スマホ応援割」スタート
ビッグニュースキャンペーンが終了する代わりに、2018年6月1日に新たなキャンペーンが始まります。その名も「スマホ応援割」。機種変更や新規契約(乗り換えを含む)の方が「auピタットプラン」または「auフラットプラン」と、「カケホ」もしくは「スーパーカケホ」を組み合わせると、毎月1000円の割引が1年間に渡って適用されます。
内容的には「ビッグニュースキャンペーン」とほぼ同じです。ただし、ビッグニュースキャンペーンと違い、通話プランの「シンプル」は割引の対象外なのでご注意ください。
割引を受けるには「カケホ」もしくは「スーパーカケホ」での契約が必要です。
auスマートバリュー
auスマートバリューへ加入の方は毎月500円~1000円の割引が適用されます。プランごとの割引額は以下の通りです。
auスマートバリューとは
毎月の割引額
※ 「auピタットプラン(シンプル)」で1GBまでの利用は割引されません
auスマートバリューの利用を検討している方は、「auひかり」比較解説記事をご覧ください。
新プランの注意点 「毎月割」が対象外
「auピタットプラン」と「auフラットプラン」は毎月割の対象外です。毎月割とはドコモの「月々サポート」やソフトバンクの「月月割」に当たる端末割引のことです。
毎月割がないと、どの程度金額が違うのでしょうか?
Xperia XZsで毎月割を適用する場合、4万6200円で購入できます。一方、毎月割がない場合、7万8000円と高額な料金を支払う必要があります。
では新プランはお得じゃないの?
そういうわけではありません。毎月割が対象外の代わりに、新プランには「アップグレードプログラムEX」というお得なサービスが用意されています。
アップグレードプログラムEX
アップグレードプログラムEX / EX(a)とは
端末代金が最大半額になるサービスです。機種代金を48か月払いにして、毎月390円(不課税)のプログラム料金を24回支払うと、25か月目以降(残り24回分)の端末代金の支払が不要となります。つまり、端末代金が実質半額になります。こちらはiPhoneとAndroid機種が対象です。
また、iPhoneのみを対象とした「アップグレードプログラムEX(a)」が2017年9月22日よりスタートしました。こちらは機種代金を24回払いにし、毎月390円のプログラム料を12回支払うと、12か月目以降(残り12回分)の端末代金の支払いが不要となります。2018年5月から最短6か月での機種変更が可能になりました(機種変更しても残り6回分の端末代金支払いは必要)。iPhoneを毎年買い替える方におすすめのサービスです。
アップグレードプログラムEX(a)はプログラム料(390円×12回)が無料になります。無料サービスは2018年5月31日までの予定でしたが、2018年6月以降も継続することになりました。4680円がタダになるお得なキャンペーンです。ちなみにこの特典はiPhoneのみの対象なので、ご注意ください。
アップグレードプログラムEXの場合(端末価格が7万2000円の機種)
24回分の支払いが不要になるので、実質価格3万6000円でスマホを購入することが出来ます。
アップグレードプログラムEX(a)の場合(端末価格が6万円のiPhone)
残り12回分の支払いが不要になり、端末が3万円で手に入る。
「auピタットプラン」×「アップグレードプログラムEX」の料金
「Xperia XZs」のカケホプランを毎月2GB利用する場合は以下の料金になります。
適用条件には注意が必要
このアップグレードプログラムEX/EX(a)には適用条件があります。この条件には注意が必要です。条件は以下の通りです。
適用条件
1.対象機種を6か月間以上利用すること
2.機種変更後も「アップグレードプログラムEX / EX(a)」に再加入すること
3.機種変更の際、旧機種を回収すること
まず、機種は必ず半年間は利用しなければいけません。そして使っていた端末は返還する必要があります。また、機種変更後もプログラムに再加入しなければ、特典が適用されません。例えば「途中で他社に乗り換える」など、以上の条件をクリアできない場合は、端末代金を全額支払わなければいけません。「Xperia XZs」だと7万8000円、「Galaxy S8」だと約9万889円もの端末代金がかかります。
つまり、この先どこかのタイミングで他社に乗り換える予定の方は、このプログラムだと損をしてしまうかもしれません。
iPhoneは新プランで利用出来るの?
新作の登場に伴い、2017年9月22日よりiPhoneも対象となることが発表されました。ビッグニュースキャンペーンも適用されます。アップグレードプログラムEXもアップグレードプログラムEX(a)も両方対象です。
「アップグレードプログラムEX(a)」のプログラム料が無料に
また、同日にスタートする「アップグレードプログラムEX(a)」では、プログラム料(390円×12回払い)が無料になります(2018年6月以降も継続)。4680円がタダになるお得なキャンペーンとなっています。対象はiPhoneのみなので、ご注意ください。
注意点 機種変更のタイミング次第では損をする
アップグレードプログラムEX / EX(a)をお得に利用するには機種変更のタイミングがとても重要です。アップグレードプログラムEXは2年、アップグレードプログラムEX(a)は1年での機種変更が最もお得です。機種変更のタイミングが遅れれば遅れるほど、お得度は減るので注意が必要です。図を使って具体的に解説しましょう。
アップグレードプログラムEX利用の端末を2年6か月目で機種変更した場合
機種代金が7万円の端末
実質価格の比較
2年で機種変更した方が2年5か月間の場合より、7500円もお得です。
アップグレードプログラムEX(a)利用の端末を1年6か月目に機種変更する場合
機種代金が6万円の端末
実質価格の比較
アップグレードプログラムEX同様に、機種変更のタイミングが遅れると、実質価格が高くなります。この場合、5か月間遅れるだけで1万2500円も料金が高くなります。
2年間利用する方はアップグレードプログラムEXを利用しよう
iPhoneユーザーで端末を最低2年以上利用したいという方はアップグレードプログラムEXを利用しましょう。EX(a)で2年間同じ端末を使い続けると、端末代金が高くなります。EX(a)は1年ごとに新しいiPhoneに買い替えたい方にお得なサービスです。
料金比較
基本料金で比較すると従来プランよりお得となりましたが、端末代金やアップグレードプログラム料を含めた料金ではどうなのでしょうか?
以下の設定で料金比較をしていきます。
設定
・端末は「Xperia XZs」と「Galaxy S8」を参考とする
・端末価格は「機種変更」「他社からの乗り換え」「新規契約」全て同じ
・端末価格はオンラインショップの価格を参考とする
・「カケホ」と「スーパーカケホ」の2パターンで比較
・データ量は「2GB(スーパーカケホは1GB)」「5GB」「20GB」の3パターンでの利用を想定
・比較対象となる従来のプランは「アップグレードプログラム」を利用したケースと利用しないケースを用意
アップグレードプログラムとは
毎月300円のプログラム料を18回支払うことで、7か月分の端末代金の支払が不要になるサービスです。特典適用には「アップグレードプログラムEX」と同様の条件があります。
比較1 「Xperia XZs」
1~2GBプラン
カケホ(2GBプラン)
スーパーカケホ(1GBプラン)
5GBプラン
カケホ
スーパーカケホ
20GBプラン
カケホ
スーパーカケホ
データ量の少ないプランや20GB以上の大容量プランはとてもお得
全てのプランで新プランの方が安かったです。「auピタットプラン」のスーパーカケホを1GB利用した場合、アップグレードプログラムなしの通常プランに比べて2年間で9万9720円もお得です。大容量プランもお得で、「auフラットプラン」なら通常プランに比べて2年間で4万5840円も安い計算となります。
20GB利用する場合は「auピタットプラン」より「auフラットプラン」の方が料金が安いです。毎月5GB以上利用する方は「auフラットプラン」への加入をおすすめします。
7月14日に従来プランの端末価格が値上げされました。乗り換え時の端末価格は7月13日まで2万2200円でしたので、そこから考えると大幅に高くなっていることがわかります。ソフトバンクの「Xperia XZs」の乗り換え時端末価格が1万円なので、他社に比べると高い料金設定だといえます。
比較2 「Galaxy S8」
1~2GBプラン
カケホ(2GBプラン)
スーパーカケホ(1GBプラン)
5GBプラン
カケホ
スーパーカケホ
20GBプラン
カケホ
スーパーカケホ
通常プランより6万円以上お得なケースも
全てのプランで新プランの方が安いという結果が出ました。「Galaxy S8」もXZsと同じく従来プランの端末代金(約5万2644円)より、アップグレードプログラムEX適用時の端末代金(約4万5445円)の方が安いです。
一番お得度が低い5GBプランも、「auピタットプラン」の方が2年間で約2万2319円もお得な計算です。月額に換算すると、毎月900円以上も安いです。
20GB利用する場合、「auフラットプラン」なら通常プランより2年間で約4万5839円もお得に利用できます。家族4人の利用で18万円以上もの差が出る計算です。旅行にも行けますし、大型家電や国産のノートPCも買えちゃいます。
新プランはどんな人に向いてるプランなの?
新プラン「auピタットプラン」と「auフラットプラン」は、以下の全ての条件に当てはまる方にオススメのプランです。
まず、「この先もauを使い続ける」方にはとてもお得なプランです。料金比較でも分かった通り、基本的に従来のプランより毎月1000円以上安くなります。端末や利用データ量によっては月2000円以上も差が出るケースもあります。
定額制でない通話プラン(シンプル)も用意されており、通話をほとんどしない方にもおすすめです。
しかし、このプランには様々な条件があります。新プランは毎月割が対象外ですし、「アップグレードプログラムEX / EX(a)」は途中で解約すると、高額の端末代金が発生するリスクもあります。端末も回収されてしまいます。今後大手の他社や格安SIMへ乗り換えするかもしれないという方は従来のプランの方が良いです。ただ、「Xperia XZs」や「Galaxy S8」の20GBプランのように、途中で解約して高額の端末代金が発生したとしても、新プランの方が安い場合もあります。従来プランと新プランの価格差が大きいプラン(1GBプラン・20GB以上の大容量プラン)は、端末価格に注目してどちらがお得か比べてみましょう。
このように「auピタットプラン」と「auフラットプラン」は全ての人にオススメのプランというわけではなく、端末やユーザーの傾向によってお得度が異なります。新プランの契約を検討中の方は今回の解説を参考に、どの料金プランが自分に合っているかじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
おさらい
・2017年7月14日から「auピタットプラン」「auフラットプラン」スタート
・9月22日よりiPhoneも対象になる
・「auピタットプラン」は使った分で料金が決まる従量制プラン
・「auフラットプラン」は20GB以上使う人に向けた大容量プラン
・通話プランは「カケホ」「スーパーカケホ」「シンプル」の3種類がある
・毎月割の対象外だが、「アップグレードプログラムEX」で端末が安くなる
・アップグレードプログラムEXの特典適用には「機種変更時の再加入」などいくつか条件がある
・利用傾向や購入する端末によってお得度は異なる
今後、どの程度条件が緩和されるのか注目
今回発表されたauの新料金プランは格安スマホへの対抗策といわれており、最安月1980円でスマホ利用出来るというお得なプランです。従来のプランより月1000円以上安くなるケースもあるので、料金を抑えたい方には魅力的だといえます。
しかし、「アップグレードプログラムEX」の加入など、新プランをお得に利用するにはいくつかの条件を満たす必要があり、全ての人にお得なプランというわけではありません。毎月割が対象外という点もデメリットの一つです。
もしかすると条件の緩和や他社から新プランの発表があるかもしれません。新たな契約を検討中の方はもう少し大手3社の動きを待ってみることをオススメします。