一つの端末でたくさんの本が読める手軽さが魅力の電子書籍。最近は「dマガジン」に加えて「楽天マガジン」や「キンドルアンリミテッド」といった定額制読み放題サービスも始まり、電子書籍の市場規模は年々増加しつつあります。
電子書籍での読書を始めた人の中には、電子書籍リーダー(電子書籍を読むための専用端末)の購入を検討している方も多いのではないでしょうか?
Amazonには電子書籍専用のデバイスが多数販売されています。その中でも高い人気を誇るのが「Kindle」と「Kindle Paperwhite」です。
今回は「Kindle」と「Paperwhite(マンガモデル)」について、特長や改善点、使ってみた感想などを含めた徹底比較していきたいと思います。
電子書籍リーダーとは
電子書籍リーダーとは、電子書籍を読むための端末です。アマゾンが販売する「Kindle」と「Kindle Paperwhite」は、Amazonの電子書籍ストアで購入した本や、アマゾンの定額制読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」の本を読むことが出来ます。また、2つの端末ならAmazon電子書籍ストアに直接アクセスし、本の購入も可能です。
「Kindle」と「Paperwhite」で出来ること
2つの商品を買った時は、正直本が読めるだけの端末だと思っていたのですが、便利な機能が意外とたくさんあったので、ご紹介したいと思います。今から紹介するのは「Kindle」「Kindle Paperwhite(マンガモデル)」のどちらにもある機能です。
文字の向きなど細かな設定が可能
2つの端末では、「文字の向き」や「行間の広さ」など細かい設定が可能です。自分に合った設定にカスタマイズすることで、よりスムーズに本を読み進めることが出来ます。
ズーム、検索辞書機能
小説など文字のみの本は、8段階に分けて文字の大きさが設定出来ます。大きさを自由に調節できるので、細かい文字が読みにくい方でも安心して読書が楽しめます。
もちろんマンガや雑誌も、ピンチアウト(指で広げる動作)でのズームが可能です。
キンドルは検索機能(マンガ、雑誌は出来ない)も付いています。読んでる途中に分からない単語が出て来て困る時があると思います。検索機能を使ってわからない文字をチェックすれば、下の画面のように言葉の意味を表示してくれます。いちいち辞書や他の端末を使って意味を調べる必要もありませんので、とても便利です。
ハイライト機能
本を読んでる途中に気になる単語や文章にチェックを付けることが出来ます。チェックした部分はメモが記せるので、自分で分かりやすいように補足を付ける場合に役立ちます。また、チェックしたハイライトの一覧を表示する機能もあるので、本の中に出てくる言葉や文章の意味をすぐに確認できます。
単語帳機能
2つの端末には単語帳機能が付いています。チェックを付けた単語は単語帳にどんどん溜まり、後で言葉の意味を見直すことが出来ます。また、単語帳にあるフラッシュカード機能(単語テスト機能)を使えば、語彙力の向上も期待できます。洋書にも使えるので、英単語を身に付けたい方にもオススメです。「Kindle」と「Kindle Paperwhite」は、学生や語学勉強する方を手助けする便利アイテムだといえます。
WordWise機能
洋書を読む人のためのアシスト機能です。文章中にある難しい英単語や熟語を分かりやすい英語にして表示してくれます。下の絵のように、単語の上にヒントが表示されます。
WordWise機能の便利な点はヒントの表示だけではありません。表示されるヒントの量も調節できるので、英語のレベルに合わせたカスタマイズが可能です。
X-RAY機能
本の大まかな内容を予習できるのがX-RAY機能です。X-RAY機能を使うと、本に登場する重要な登場人物や言葉を説明する一覧表が表示されます。これらの情報を事前に把握することで、スムーズな読書が期待できます。
Kindleストアへのアクセス
キンドルは読むだけの端末ではありません。アマゾンの電子書籍ストア「Kindleストア」へのアクセスも可能です(「キンドル」と「ペーパーホワイト マンガモデル」はWiFiにつなげる必要がある)。本の購入やダウンロードが出来るので、スマホやPCいらずで欲しい本がその場で読めます。もちろん読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」も使えます。設定でストアへのアクセス制限も可能です。
画面ロック機能
セキュリティ面もご安心を。画面のロック機能(パスワード入力)も付いているので、勝手に中身を見られる心配もいりません。ロック機能はOFFにすることも可能(初期設定はOFF状態)です。
2つの端末の注意点
ダウンロードやストアへのアクセスにはWi-Fiの接続が必要
「Kindle」と「Paperwhite(マンガモデル)」は無線LAN(WiFi)を使ってネットへアクセスします。つまり、WiFi環境が整ってないと、本のダウンロードやキンドルストアへのアクセスが出来ません。
マンガモデルじゃない通常モデルの「Paperwhite」には、WiFi以外に3G回線が付いているので、WiFi接続ができない場所でもダウンロードなどが可能です。ちなみに3G回線の通信料はAmazonが負担するので、利用者は無料です。
比較対決
ここからは様々なセクションに分けて、2つの端末を比較していきます。
比較1 内容物
内容物はほとんど同じです。本体以外にはUSBケーブルと、注意事項や充電方法が記載されている冊子2つというシンプルな内容です。取扱説明書のような細かな説明書はありません。コンセントに差し込む「ACアダプタ」は別売りです。USBを挿し込めるアダプタなら、アマゾンの商品でなくても代用できます。
Kindle
Kindle Paperwhite(マンガモデル)
比較2 大きさ
ここでは端末のサイズを比べてみましょう。
サイズはコンパクトです。スマートフォンより大きく、タブレットより小さなサイズといえば想像しやすいでしょうか。Paperwhiteの方が多少大きいですが、そこまで大きさに違いはありません。どちらも画面サイズは6インチです。厚さも9.1mmと薄く、バックに入れても邪魔になりません。
比較3 画面
電子書籍で気になるのが目に与える影響です。目に優しいといわれるキンドルシリーズですが、2つの端末の画面はどうなのでしょうか?
まず、明るさを比較してみましょう。Paperwhiteはバックライトの明るさを「10」で設定しています。
真っ暗な場所
うす暗い場所
Paperwhiteは青っぽいバックライトが付いています。暗い場所だと「Kindle」は全く見えませんが、「ペーパーホワイト」はライトが付いているので十分に読めます。しかもこのバックライトは明るさの調節が可能です。自分の見やすい明るさに設定できるので、明るすぎて悩むという心配はいりません。明るい場所なら、ライトなしでも十分に見えます。
ちなみに「Kindle」はブルーライトゼロなので、目に対するダメージがほとんどありません。(Paperwhiiteもライトを「0」にすれば「Kindle」と同じ状態になる)
個人的には「Paperwhite」の方が読みやすいと感じました。解像度が高く(「Kindle」は167ppiで、「Paperwhite」は300ppi)、文字がキンドルよりもキレイです。
ただ、通常のキンドルで使い慣れてしまえば、それほど問題に思わないかもしれません。
比較4 操作性
ページめくりはどちらも非常にスムーズで快適でした。ワンタップでスイスイと進んだり、戻ることができます。また、長押しでページの早送りや巻き戻しが出来ます。好きなページへ一気にジャンプすることも可能です。
小説などの本やマンガを読む際に大きな支障は感じられませんでした。
しかし、雑誌を読む端末としては不十分に思います。どちらもカラーに対応していないので、カラーページの多い雑誌は読みにくさを感じました。また、ページをズームした状態で移動すると、いちいちページに微調節が入って目がチカチカします。マンガでも同様の現象が起きましたが、マンガはほとんどズームせずに読めるので、個人的にはあまり気にはなりませんでした。 吹きだしにある細かな文字が見えない方は読みにくさを感じるかもしれません。
比較5 価格とその他のスペック
※1 Wi-Fiをオフ、1日30分間使用の場合
※2 Wi-Fiをオフ、バックライトの明るさを「10」に設定し、1日30分間使用の場合
初めて手に持った時、その軽さに驚きました。厚さも9.1mmと非常に薄いので、持ち運びに困ることはありません。Paperwhiteの方が多少重いですが、そこまで気にならなかったです。
価格は「Kindle」の方がPaperwhite(マンガモデル)より8000円以上も安いです。「Paperwhite」と「Paperwhite(マンガモデル)」はストレージ容量とネット接続に大きな違いがあります。マンガモデルは通常のPaperwhiteの4倍のストレージ容量(32GB)があり、マンガを約700冊保存できます。しかし、ネット接続はWi-Fiのみで、通常モデルのように無料の3G回線が付いていません。「マンガを読む方」や「たくさんの本を保存したい方」はマンガモデルの購入をオススメします。
バッテリーの持ちは共に十分で、1度の充電で数週間利用できます(「キンドル」は1日30分利用した場合で、「ペーパーホワイト マンガモデル」は明るさ10で1日30分利用した場合)。使う頻度やライトの明るさにもよりますが、実際に利用してみても1、2日でバッテリーがなくなるといったことはありませんでした。
よくある質問
Q1 毎月の料金がかかるの?
端末を使うだけなら、一度購入すれば毎月のお金はかかりません。キンドルストアで本を購入する場合は本の購入代金、定額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」を利用する場合は毎月の利用料金がかかります。
Q2 Kindleストア以外の電子書籍サイトは利用出来る?
できません。利用出来るのは「Kindleストア」のみです。
Q3 「キャンペーン情報つき」と「キャンペーン情報なし」は何が違うの?
全てのキンドルにはそれぞれ「キャンペーン情報付き」と「キャンペーン情報なし」の2種類が販売されています。キャンペーン情報とは広告のことです。広告付きかそうでないかで端末価格が変わります。「キャンペーン情報なし」の方が広告がないので、「広告あり」より高いです。
「キャンペーン情報付き」と「キャンペーン情報なし」では具体的に何が異なるのでしょうか?まずはホーム画面です。下の写真を見ても分かる通り、ホーム画面の下に広告が出ます。
また、Kindleを起動する時にも違いがあります。広告なしの方は画面を1回スライドさせるだけで起動しますが、広告ありの方は一度ロックを解除してから、スライドさせる必要があります。つまり、「広告なし」より1回手間がかかります。「あり」か「なし」かで2000円の差があります。
使ってみた感想
良かった点
どちらも使ってみて、1、2時間読んでも目の疲れはそれほど感じませんでした。目の負担が全くないとは言いませんが、スマホで本を読む時より圧倒的に目のダメージは少ないです。明るい場所で読む分にはライトなしでも十分読めました。また、書籍より厚さや重さがないので、持ちやすいですし、端末をバックに入れても邪魔にならないです。これなら通勤や通学時間に気軽に読めます。端末にたくさんの本が保存できるので、部屋の整理といった面でも貢献してくれるのでありがたいです。
単語帳機能やハイライト機能はとても便利に感じました。語彙力や英語など語学力向上のツールとして使えるアイテムになっています。
定額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」へのアクセス性も良いので、利用している身としてはよりサービスが使いやすくなりました。Unlimitedの利用者は特にオススメです。
改善点
本を読む時はそれほど感じませんが、全体的な操作のスムーズさはスマホより劣ります。文章や言葉にハイライトを付ける時、なかなかうまくポイントが合わせられず、多少不便に思いました。画面はカラーに対応していないので、雑誌向きではありません。
キンドルもペーパーホワイト(マンガモデル)もネット接続が「Wi-Fi」のみで、ペーパーホワイト(通常モデル)のように無料3G回線が付いていません。出来ればどちらも無料3Gがあると嬉しかったです。
どれがオススメ?
ある程度の機能はどれも同じなので、あとは細かな条件にこだわるかで何を買うべきか決まります。
ストレージ容量はマンガモデルが32GBとキンドルの4倍なので、「マンガ(マンガは容量が大きい)を読む方」や「たくさんの本を読む方」は、マンガモデルの購入をオススメします。雑誌を読みたい方やカラーでマンガを読みたい方は、Fireタブレットがおすすめです。「バックライトがほしい方」や「文字など画面の綺麗さ」を求めるならPaperwhiteが良いです。
こういった条件を求めない方は「Kindle」でも十分だと思います。
2017年8月25日現在、アマゾンのカスタマーレビュー(5つ星評価)では、「Kindle」が4.0、「Paperwhite(マンガモデル)」が3.9の星が付いています。
特典&セール情報
プライム会員でKindle所有の方は毎月1冊が無料で読める
アマゾンには「Kindleオーナーライブラリー」というサービスがあります。アマゾンプライム会員の方でキンドル電子書籍リーダーもしくはFireタブレットをお持ちの方は、対象タイトルの中から毎月1冊、無料で読めます。
プライム会員なら端末が4000円OFFで購入できる
「Kindle」シリーズはアマゾンプライム会員なら表示価格の4000円OFFで端末が手に入ります。4000円引きは非常に大きな割引額ですね。アマゾンプライムの特典はもちろんこれだけではありません。
以下の特典がすべて無料で利用し放題になります。
2.大きな荷物を運ぶ際に必要となる特別料金が無料
3.最短1時間で荷物が届く「PrimeNow」が利用できる
4.2500作品以上の映画やテレビドラマが見放題
5.100万曲以上の音楽が聴き放題
6.会員限定先行セールに参加できる
7.AmazonDriveのフォトストレージで写真を無制限に保存できる
8.毎月1冊kindle本が無料で読める
9.AmazonAudible(オーディブル)の無料体験期間が3か月になる
10.「Kindle」や「Fireタブレット」が4000円OFFになる
11.会員限定キャンペーンの参加
商品の詳細ページへ移動する
「キャンペーン情報の有無」や「カラー」はリンク先で選択できます。
番外編 定額制読み放題サービス Kindle Unlimited
番外編としてアマゾンの定額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」を紹介します。月額980円(税込)で、16万5093冊(2017年8月25日現在)もの本やマンガ、写真集が読み放題になります。本やマンガだけでなく、様々な種類の雑誌も読めます。これとは別に洋書が156万6971冊(2017年8月25日現在)入っています。
雑誌では「Tarzan」「ニューズウィーク」「Pen」「月間MdN」「週刊大衆」「Ray」「GetNavi」など193種類にも及ぶタイトルが入っています。雑誌以外にも、「思考は現実化する」「分かりやすい文章を書く全技術100」「一流の記憶法」「ダンナ様はFBI」「老人と海」などの人気タイトルが読み放題です。また、「ハリーポッターシリーズ」などの洋書も多数収録されています。
このようにあらゆるジャンルの書籍やマンガ、雑誌が揃っています。Kindleは「Kindle Unlimited」へのアクセスが可能なので、スマホやPCがなくても好きな時に好きなだけ本やマンガ、雑誌が楽しめます。
「Kindle Unlimited」無料体験ページへ
まとめ
おさらい
・1つの端末に数千冊の本が保存できる「Kindle」
・非常に軽く、コンパクトで持ち運びに便利
・単語帳機能など語学の学習にも適してる
・検索機能やX-RAY機能などスムーズに読むための便利な機能が付いてる
・Kindleストアへのアクセスが可能
・Paperwhiteは調節可能なバックライト機能がある
・マンガモデルのストレージ容量は32GB(通常のPaperwhiteの4倍)で約700冊のマンガが保存可能
電子書籍の利便性
これまで電子書籍は、雑誌を読む時にしか利用していませんでした。自分はどちらかというと紙の本で読むのが好きなタイプです。それはキンドルを使っている今も変わりません。しかし、初めて電子書籍リーダーを利用してみて、思った以上に違和感を感じなかったのは少し驚きでした。
今部屋には本が溢れていて、整理をするのに苦労しています。読み終わった本は売ればいいのですが、残しておきたい本も多々あります。電子書籍リーダーは部屋の整理に役立ちますし、本も紙の書籍より安く購入できます。今は厳選したタイトルのみ紙の書籍で購入するスタイルにしています。
キンドルストアではマンガや書籍などのセールが常に行われています。頻繁に50%OFFのセールも開催しています。「Kindle オーナーライブラリー」も嬉しいサービスです。
アマゾンユーザーの方で本やマンガをよく読む方は「Kindle 電子書籍リーダー」の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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