2017年9月22日(金)にいよいよiPhoneの最新シリーズ「iPhone8」と「iPhone8 Plus」(「iPhone X」は11月予定)の販売が始まりました。
それに伴い、ソフトバンクでは新たなサービス「半額サポート for iPhone」と「みんなで家族割」がスタートしました。
これらのサービスはどのような内容で、どの程度お得なのでしょうか?サービスのお得度や加入条件、注意点などを徹底調査してみました。
ぜひサービス利用の参考にして頂ければと思います。
半額サポート for iPhone
半額サポート for iPhoneとは
端末代金が最大半額になるサービスです。機種代金を48か月払いにして適用条件を満たすことで、25か月目以降(残り24回分)の端末代金の支払が不要となります。つまり、端末代金が実質半額になります。
auの「アップグレードプログラムEX」のようなプログラム料はありません。
開始時期
2017年9月22日(金)~
対象機種について
対象機種はiPhone8以降のiPhoneです。現状では「iPhone8」「iPhone8 Plus」「iPhoneX」が対象です。「iPhone7」や「iPhone SE」といった8以前の機種は対象外ですので、ご注意ください。
条件には注意が必要
「半額サポート for iPhone」には加入条件と適用条件があります。
加入条件
・対象機種を新スーパーボーナス(48回払い)で購入すること
・「データ定額ミニ1GB / 2GB」「データ定額5GB~50GB」「データ定額20GB(U18)」「データ定額パック標準、大容量(※)」「パケットし放題フラット for 4G / 4G LTE」のいずれかに加入すること
※家族データシェアの子回線は除く
適用条件
・対象機種を24か月利用後、25か月目以降に「半額サポート for iPhone」の指定機種または「機種変更先取りプログラム」の指定機種に変更すること
・次の機種変更の際にも「半額サポート for iPhone」または「機種変更先取りプログラム」に加入すること
・サービス加入時に購入した端末は機種変更の翌月末までに回収、査定完了すること
※ 査定条件を満たせなかった場合は故障時利用料として2万円がかかります。(「あんしんパック with AppleCare Services【月額830円】」加入の方は2000円です。ただし、割賦残債務2万円以下の場合は割賦残債務相当額を上限とします)
半額サポートは月月割の適用対象だが、解約後は適用外
サービス内容からもわかる通り、ソフトバンクの「半額サポート for iPhone」はauの「アップグレードプログラムEX / EX(a)」とほとんど同じ内容です。しかし、微妙に異なる点もいくつかあります。その中の1つが「端末割引」に対する扱いです。
auの場合は「アップグレードプログラムEX」と「毎月割」は併用することができません。一方、ソフトバンクの「半額サポート for iPhone」は「月月割」との併用が可能です。これにより、auのiPhoneより圧倒的に安い価格で端末が購入できます。実際に表で確認してみましょう。
iPhone8 64GBモデル(360円×48か月払い)の場合
「正常に動く端末の回収」など条件を満たした場合は、月月割(ー1605円×48回)を適用した端末価格1万7280円の半額になります。
では2年間の利用後に他社へ乗り換えるなどして、サービスを解約したらどうなるのでしょうか?
2年間の利用後に解約した場合
48回払いで契約しているので、残り24か月分の支払いが必要になります。また、解約後は月月割の適用がなくなるので、高額な料金支払い(1965円×24回分)が発生します。通常プラン(2年契約)で購入した場合は端末価格が1万6000円なので、通常時の3倍以上の料金がかかる計算です。
半額というメリットがある一方で、大きなリスクも存在するサービスといえます。
1年買い替えオプションのお得度は低い
半額サポートは2年間の利用を想定していますが、「1年買い替えオプション」を使えば1年後に機種変更する場合もサービスが適用されます。
例えば、iPhone8 64GBモデルを1年間利用し、他の端末に機種変更するケースを考えてみましょう。
2年間の利用と同じく、25か月目以降の支払いは不要です。しかし、13か月目に機種変更しても残りの12か月は端末代金の支払いが必要になります。加えて機種変更後は月月割の適用外となるので、残りの12か月は月々の支払いが高くなります。実質価格は2万7900円と、2年間の利用で機種変更するケースより2万円近くも高い計算です。
お金の面だけを考えると、あまり利用するメリットを感じないサービスです。
料金比較
具体的に通常プラン(2年契約)と料金を比較してみましょう。設定は以下の通りです。
設定
・機種変更で「iPhone8 64GBモデル」を購入する
・半額サポートは「条件を満たすケース」と「2年で解約し、条件を満たさないケース」の2つのパターンを計算する
・2GBプランと20GBプランで比較
2GBプラン
20GBプラン
表でも分かる通り、端末価格が半額になる分、サービスを利用した方が通常プランより安いです。しかし、解約すると高額な料金が発生するリスクもあります。2年間の合計金額で見ると、通常プランより3万円以上も高い料金となっています。
加入した方がいいの?
おすすめはしません。理由はサービス解約時に伴うデメリットが多いからです。
万が一、途中で他社に乗り換えたり、サービスを解約すると、通常プランの端末価格より高額な代金が発生します。また、サービスを利用するとしても、端末の故障など回収の査定条件を満たさない場合は最大2万円の費用がかかります。
解約した場合のリスクや条件の厳しさを見ると、メリットが少ないといえます。このサービスは端末の回収と引き換えに端末が半額になるサービスです。「iPhone8 64GBモデル」の場合、乗り換えなら8640円、機種変更なら1万3440円が免除されるだけです。これなら下取りサービスに出した方がお得な気もします。
ちなみに2年前に発売された「iPhone6s」をソフトバンクの「下取りプログラム(機種変更)」に出すと、1万2480円の割引と4800円分のプリペイドバリューチャージ(ソフトバンクカード)が受けられます。合計で1万7280円。iPhone8 64GBの機種変更での免除額が1万3440円である点を考えると、通常プランで契約して次の機種変更時に下取りプログラムを利用した方が、リスクが少ない上に料金も安く済みます。
ではこのサービスはどんなタイプの人にオススメなのでしょうか?
こんな人におすすめ
以上3つ全てに当てはまる方は利用しても良いですが、それ以外の方は通常プランでの契約の方が契約がシンプルですし、他社への乗り換えもしやすいのでオススメです。
「みんな家族割」
新しいデータ定額サービス「ウルトラギガモンスター」の開始に伴い、始まった割引制度です。家族や同居人など複数人で「データ定額50GB」を契約すると、毎月1500円以上の割引が適用されます。
「みんな家族割」の大きな特徴は割引対象を家族に限っていない所にあります。家族だけでなく、「遠くに住む親戚」や「同居中の恋人」や「シェアハウスの同居人」など、適用対象が広く設定されています。
ウルトラギガモンスターとは
ウルトラギガモンスター(データ定額50GB)とは、毎月50GBのデータ通信量を月7000円で使える新しいデータ定額サービスです。これまで用意されていたデータ定額30GB(月8000円)と比べると、月1000円も安く、かつデータ通信量が20GBも多いお得なプランです。ちなみにデータ定額30GBは2017年9月21日をもって、新規受付を終了しています。
デザリングオプションについては毎月500円の利用料がかかります。最初の2か月は無料です。
「みんな家族割」開始時期
2017年9月22日(金)~
割引額
みんな家族割の割引額は以下の通りです。
4人以上で利用すれば、1人当たり月2000円の割引が適用されます。データ定額50GBが月5000円で使える計算です。データ定額5GBの月額料金と同じ料金で50GBも利用出来る点を考えれば、そのお得度がわかると思います。
加入条件
・同一家族割引グループで「データ定額50GB」に加入する回線が2回線以上あること
同一家族割引グループの条件
同一家族割引グループに入るには証明書が必要になります。証明書の種類は以下の通りです。
同居している家族、親戚
同住所が確認できる、契約者それぞれの本人確認書類
離れて暮らす家族、親戚
必要な書類が2つあります。まず1つ目が契約者それぞれの本人確認書類です。2つ目は家族であることがわかる「戸籍謄本」か「住民票記載事項証明書」(3か月以内のものに限る)のいずれかが必要です。
同居しているパートナー、友人やシェアハウスなどの仲間
同住所が確認できる、契約者それぞれの本人確認書類
家族割といっても対象は家族だけではありません。同居しているカップルやシェアハウスの仲間でも利用可能です。対象範囲が広い点もこの割引サービスの特徴です。
注意点 シェアができない
このサービスの欠点はデータ通信量のシェアができないことです。家族向けサービスの「家族データシェア」はシェアが出来ますが、「データ定額50GB×みんな家族割」はデータパケットの貸し借りに対応していません。
ギガを楽しもうキャンペーン開催中
新規、機種変更、乗り換えの方で新たに「データ定額50GB」に加入した方は、毎月500円の割引が1年間に渡って適用されます。キャンペーン受付期限は2017年12月末までとなっています。
みんな家族割 料金比較
この「みんなで家族割」は、果たしてどの程度メリットのある割引サービスなのでしょうか?料金比較を行い、お得度を調査したいと思います。条件設定は以下の通りです。
設定
・2人、3人、4人の3つのケースで比較を行う
・比較対象は「家族データシェア50GBと100GB」の2つを用意する
・端末は「iPhone8 64GBモデル」とする
・半額サポートは利用しない
2人の場合
50GB以上のプラン
100GB以上のプラン
3人の場合
50GB以上のプラン
100GB以上のプラン
4人の場合
50GB以上のプラン
100GB以上のプラン
2年間で36万円もお得になる場合もある
料金面で見ると、4人での利用の50GBプラン以外すべて「みんな家族割プラン」の方がお得でした。2人利用の100GBプランの場合、その差は2年間でなんと36万円。月1500円も安く同じデータ量が利用できます。
4人利用で50GBプランも料金は家族データシェア50GBの方が安いですが、利用できるデータ通信量はみんな家族割プランの方が150GBも多く利用できます。1GB当たりの料金を考えると、圧倒的にお得なことがわかります。
家族データシェアとは異なり、シェアができない欠点はあるものの、1人月50GBもあればそれほど困ることはないでしょう。
利用データ量が多い家族や仲間にはお得なサービス
みんな家族割は1人当たりの利用データ量が多いコミュニティにお得なサービスです。2人での利用なら「家族データシェア10GB」より、「データ定額50GB×みんなで家族割」を利用した方が安い計算も出ています。
また、家族だけでなく、遠くの親戚同士やシェアハウスの同居人、同居しているカップルなど、対象範囲が広い点もこのサービスの特徴です。
月50GBもあれば通信制限の心配もほとんどいりません。ウルトラギガモンスター×みんな家族割は動画や音楽、ゲームなど様々なコンテンツを存分に楽しみたい方にオススメなサービスです。
まとめ
おさらい
・2017年9月22日よりソフトバンクで「半額サポート for iPhone」「ウルトラギガモンスター」「みんな家族割」がスタート
・「半額サポート」は最新のiPhoneが実質半額で手に入るサービス
・条件が厳しく、お得度はそこまで高くない
・「ウルトラギガモンスター」は50GBのデータ量を月7000円で利用できるプラン
・「みんな家族割」は1人当たり最大で毎月2000円割引が適用されるウルトラギガモンスター専用サービス
・家族だけでなく、同居してるカップルやシェアハウスの同居人も対象
・料金のお得度は非常に高い
サービス内容を把握して、自分にメリットがあるか見極めよう
ソフトバンクの新サービス。宣伝にあるようなサービスの大まかな内容だけを見ると、なんとなくお得な感じもしますが、必ずしも全ての人にお得なわけではありません。また、今回解説にもあったように、CMでは語られないデメリットも存在します。
内容を細かく調べ、自分にとってメリットの多いサービスなのか見極めることがとても重要です。宣伝のイメージに騙されずに、プラン内容をよく比較検討してから、自分に合ったプランを選択しましょう。