2015年9月にアメリカの動画サービス「Netflix」が日本に上陸してから、競争が一段と激しさを増している有料動画サービス業界。国内外のドラマや映画、バラエティなどが見放題の有料動画サービスは、これからますますシェアを大きくしていくことでしょう。
中でも人気の高い「Hulu」「Netflix」「Amazonプライムビデオ」という3つの動画サービスを、「料金システム」「操作性」「ラインナップ」など様々な項目から利用している自分の感想を含めて徹底比較してみたいと思います。
(2024年5月2日更新)
- 比較1 「料金」「支払い方法」「無料トライアル」
- 比較2 対応機器(対応デバイス)とダウンロード機能
- 比較3 画質
- 比較4 画面の操作性
- 比較5 作品ラインナップの充実度
- ラインナップ比較1 海外ドラマ
- ラインナップ比較2 国内ドラマ
- ラインナップ比較3 映画
- ラインナップ比較4 バラエティ
- ラインナップ比較5 アイドル
- ラインナップ比較6 アニメ、キッズ向け作品
- まとめ
- 「Fire TV Stick」「Fire TV」があればテレビで動画サービスが楽しめます
比較1 「料金」「支払い方法」「無料トライアル」
※ 新規受付は停止
利用できる機能
※ UHDとは、HDの4倍を誇る超高画質のこと
月額料金の安さならプライムビデオ
「料金」で選ぶなら、Amazonプライムビデオ(Amazonプライム)がおすすめ。
「Amazonプライム会員」は年会費5900円(月492円)で見放題となります。2023年8月に値上げとなりましたが、それでも他の動画サービスに比べれば圧倒的に安いです。
動画の他にも「音楽聴き放題サービス」や「お急ぎ便サービス」が使い放題なので、アマゾンユーザーはメリットが非常に大きい制度です。
対象作品は少ないですが、4Kの超高画質にも対応。
30日間の無料体験が用意されていて、視聴できる作品数の制限もありません。
長期間使う予定のない方は月600円で使える「月額制プラン」がおすすめです。
「プライム会員」を初めて登録する方は、月額プランでも30日間の無料体験があります。また、途中から年会費コースに変更することも可能です。
プランが充実しているNetflix
Netflixは料金システムが充実しています。
「広告つきベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つのコースが用意されていて、「視聴デバイス数」や「4K対応」など、ユーザーのニーズに合わせた選択が可能です。
プレミアムプランなら一気に4つのデバイスで同時視聴が可能なので、ご家族の利用ならコスパ抜群です。
「30日間の無料体験トライアル」は、2019年12月に終了となりました。
現在は、無料体験を利用する事が出来ません。
支払い方法が豊富なHulu
Huluは支払い方法の多さに魅力があります。
他の2つにない「LINE Pay」「PayPal」などにも対応していて、支払い方法が豊富なので、どんなユーザーでも使いやすいです。
携帯決済は、大手3社すべてに対応。
料金プランは1つだけなので、分かりやすいです。
「14日間の無料体験トライアル」は、2023年8月に終了となりました。
現在は、無料体験を利用する事が出来ません。
「アマゾンプライム」の解説記事はこちら
比較2 対応機器(対応デバイス)とダウンロード機能
全てのサービスでダウンロード機能が使える
対応デバイスの多さでは、Netflixが他のサービスを上回ります。
3サービスに共通する魅力は「オフライン再生」に対応している点です。
最近は、動画の視聴にスマートフォンを利用する人が増えていて、電車でもよく見かけるようになりました。
そこで気になるのがデータ通信量です。
フール―やプライムビデオ、NETFLIXなら作品のダウンロードが可能なので、通信量の心配はいりません。通勤や通学の移動時間や外出先での空いた時間に、思う存分ダウンロードした映画やドラマを見ることが出来ます。
ちなみに動画サービス「U-NEXT」もオフライン再生が可能です。
比較3 画質
3つのサービスで配信中の「SUITS」や「孤独のグルメ」といった作品で同時再生を行い、画質の検証をしてみました。また、スマホ、パソコン、テレビといった様々なデバイスで画質調査を行いました。
画質に大きな差は無い
3つの動画を同時再生して(テレビにPCを接続し、再生)、画質を比較してみましたが、正直画質の差はあまり感じません。
3つどれも画質はきれいで、特に画質の悪さが気になる動画サービスはありません。
フールーとプライムビデオ、ネットフリックスの全てが4K映像(一部の作品)に対応しています。
ネトフリの場合、プレミアムプランに未加入の方は、4K動画が見れないのでご注意ください。
比較4 画面の操作性
パソコンとスマートフォンを使用して、再生画面の操作性について調べてみました。
必要な機能が備わっているHuluとネトフリ、物足りなさ感じるプライムビデオ
「Netflix」操作バー
「hulu」操作バー
「Amazonプライムビデオ操作バー」
操作バーが邪魔にならず、使いやすいと感じたのはHuluです。これは個人的な意見ですが、字幕のフォントが最も好きです。
NetflixHuluもネトフリも再生速度の変更が可能です。効率よく時間をかけずに見たい人には非常に便利です。
プライムビデオの操作は非常にシンプル。スマホでもパソコンでも「10秒の巻き戻しと早送り」が可能です。
ただ、「再生中のエピソード選択」や「字幕の切替」「再生速度の変更」には対応していません。多少物足りなさを感じますね。
ちなみに全てのサービスがバックグラウンド再生に対応しています。
各サービスの公式ページへ移動する
「Hulu」公式ページはこちら
「Amazonプライム」無料体験ページはこちら
「Netflix」公式ページはこちら
比較5 作品ラインナップの充実度
サービス選びで最も気になるのが作品ラインナップの充実度でしょう。
最近はどの会社もオリジナルコンテンツに力を入れており、そのサービスでしか見れない魅力的なコンテンツが増えています。
例えば、人気ドラマ「君と世界が終わる日に」や「パンドラの果実」はHuluでしか見れませんし、2019年アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「ROMA/ローマ」はNetflix限定配信です。
また、上の表からも分かる通り、サービスによって「強み」や「弱み」は大きく異なります。
では具体的にどんなコンテンツが用意されているのでしょうか?ジャンル別に紹介していきたいと思います。
ラインナップ比較1 海外ドラマ
最初は「海外ドラマ」の比較をしてみましょう。
下の表は「洋画専門雑誌『SCREEN』のwebサイト版であるSCREENオンラインが発表した『2023年海外ドラマ大賞』」と「世界最大の海外ドラマレビューサイト『IMDB』の人気ランキング(2024年5月更新)」を基に、各サービスの配信状況を示したものです。
「SCREEN Online」2023年海外ドラマ大賞の作品部門ランキング
世界最大海外ドラマレビューサイト「IMDB」の人気ランキングベスト50(2023年5月版)
その他の注目作品
どのサービスも魅力的な海外ドラマ
海外ドラマは、正直「甲乙告げ難い」というのが本音です。
昔はHuluかNetflixの二択でしたが、最近はプライムビデオも作品数が増えてきています。どのサービスも魅力的なコンテンツに溢れています。
Huluでは山下智久初主演を飾った海外オリジナル作品「神の雫/Drops of God」や2017年のエミー賞作品賞を受賞し、21年エミー賞にもノミネートされた「ハンドメイズテイル」が楽しめます。
また、大人気ドラマ「プリズンブレイク」「フレンズ」が楽しめるのはHuluだけ。
NETFLIXでは、ウォーキングデッドを抑えてドラマシリーズ総合視聴者数1位に輝いた「ストレンジャーシングス」や世界で圧倒的人気を誇る「ウェンズデー」、21年エミー賞で作品賞を受賞した「ザ・クラウン」など、国内外で評価の高いオリジナル作品が楽しめます。
プライムビデオも負けていません。
2018年のエミー賞で最多5部門を受賞し、他のノミネート作品を圧倒した「マーベラス・ミセス・メイゼル」や2023年エミー賞で6部門ノミネートされた「ロードオブザリング:力の指輪」、配信からわずか4日間でAmazonオリジナルドラマ史上3位の視聴回数を記録した「フォールアウト」といった注目のオリジナル作品が用意されています。
ただ、2020年12月になって「ゲームオブスローンズ」や「バンドオブブラザーズ」といったHBO作品のほとんどが配信終了となってしまった点だけは非常に残念です。
現在多くのHBO作品が観れるのはU-NEXTのみです。
より細かいラインナップを知りたい方は、海外ドラマの完全ラインナップ比較記事をご覧下さい。
ラインナップ比較2 国内ドラマ
人気サイト「みんなのランキング」から歴代の国内ドラマ人気ランキングから配信状況を比較してみました。
主なラインナップ作品
その他の配信作品
色んなテレビ局の国内ドラマを見るならHulu
ラインナップの充実度が高いのはHuluです。
2024年4月期スタートの「花咲舞が黙っていない」や「肝臓を奪われた妻」といった最新ドラマを筆頭に、アジア最大級の番組アワード「ATA2023」を筆頭に国内外あわせて11個の賞を取った「ブラッシュアップライフ」や24年1月に劇場版が上映され、2月に最終シーズンの配信が始まった「君と世界が終わる日に」など、日テレ系ドラマが最新作から過去の名作まで揃っています。
また「孤独のグルメ(テレ東)」や「GTO(フジテレビ)」「トリック(テレ朝)」など、色んなテレビ局のドラマが楽しめる点も魅力的です。
プライムビデオやNetflixは、Huluに比べてオリジナルドラマが多い点に特徴があります。
プライムビデオでは大沢たかお主演で24年2月に配信が始まった「沈黙の艦隊」やアメリカ版が世界中で大きな話題を呼び、舞台を東京に移して描かれた「モダンラブ東京」、Netflixでは山崎賢人と土屋太鳳のダブル主演の人気作「今際の国のアリス」や日本以外でもヒットを記録した「First Love 初恋」といったオリジナルドラマが楽しめます。
また、プライムとネトフリでは、石原さとみ主演の大人気ドラマ「アンナチュラル」や江口のりこ主演の人気シリーズ「ソロ活女子のススメ」、小栗旬主演の「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」といった民放の人気作も視聴可能です。
国内ドラマのラインナップについては、比較記事をご覧下さい。
ラインナップ比較3 映画
続いては映画。
「ツタヤレンタルDVD年間ランキング」と人気サイト「みんなのランキング」の好きな映画ランキングを基にした配信状況を見てみましょう。
洋画ラインナップ比較
※1 過去のシリーズはある
邦画ラインナップ比較
※ 17位に半沢直樹が入っていたため、19作品になっている
※1 過去のシリーズはある
※2 ドラマ版はある
映画見るならプライムビデオかNetflixがおすすめ
映画はドラマに比べて、どのサービスも少し物足りなさを感じます。
3つの中ならプライムビデオかNetflixが良いでしょうか。
最新の人気作で比べると、2つのサービスが作品数でHuluを上回ります。
Amazonプライムでは「トップガン マーヴェリック」や「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などの最新作が配信中です。
「ワイルドスピード ファイヤーブースト」や「M3GAN/ミーガン」といった作品が見れるのは、3つのサービスの中でプライムビデオだけ。「沈黙のパレード」や「ラーゲリより愛を込めて」といった邦画もプライムでしか見れません。
ネットフリックスも負けていません。邦画では「すずめの戸締まり」や「母性」、洋画では「ブラックアダム」や2023年アカデミー賞作品賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」など、他の2つのサービスにはない作品が多数用意されています。
また、2023年アカデミー賞で9部門ノミネートの「西部戦線異状なし」や24年2月に配信が始まった長澤まさみ主演の「パレード」といったオリジナル映画もネトフリで見逃せないコンテンツです。
他サービスに比べて新しい作品が少ないのがHuluです。
しかし、中には「ピンポン」「デスノート」など、プライムビデオやネットフリックスで見れない作品もあります。海外作品では「E.T.」や「天使にラブソングを・・・」など過去の名作も多く配信されています。
個人的な意見としては、どのサービスも配信本数をもう少し増やしてほしいです。
動画サービス公式サイトを見る
「Hulu」公式ページはこちら
「Amazonプライムビデオ」公式サイトはこちら
「Netflix」公式サイトはこちら
ラインナップ比較4 バラエティ
バラエティ番組の比較もしてみました。
バラエティの作品数が多いプライムビデオとHulu
プライムビデオでは、アマゾンオリジナルの松本人志プレゼンツ「ドキュメンタル」や「FREEZE」、恋愛リアリティ番組「バチェラージャパン」「バチェロレッテジャパン」といったプライムビデオ制作オリジナル作品も充実しています。
また、「爆笑問題のツーショット」や「内村さまぁ~ず」といったお笑い番組も配信中。
バラエティ番組の作品数ではフールーが大きくリードしています。
「月曜から夜ふかし」や「ガキの使いやあらへんで」「しゃべくり007」など、日本テレビの人気番組が数多く配信中。
20年年末から「世界の果てまでイッテQ」の見逃し配信も開始し、更に充実度が増しています。
また「太田上田」や「ぼる部屋」など、地方ローカル番組も見逃せません。
Netflixでは北海道の大人気バラエティ番組「水曜どうでしょう」が配信中。2024年5月2日現在、23年に放送された最新作「懐かしの西表島」を筆頭に、「北海道で家、建てます」「ヨーロッパ完全制覇シリーズ」など、29作品を見ることができます。
「あいのり」「テラスハウス」「ラブデッドライン」など、恋愛リアリティ番組が多数用意されている点もネットフリックスの特徴です。
また、海外のスタンドアップコメディも120作品以上用意されています。
より詳しいラインナップを知りたい方は、バラエティラインナップ比較記事をご覧ください。
ラインナップ比較5 アイドル
アイドル番組はどうでしょうか。
アイドル見るなら「Hulu」がおすすめ
アイドル番組を見るなら、「Hulu」がベストな選択です。
人気女性ガールズグループ「NiziU」が結成されるまでの過程を追ったオーディション番組「Nizi Project」のセカンドシーズンとなる「Nizi Project Season2」や人気グループBE:FIRSTが結成されるきっかけとなった「THE FIRST」など、アイドルのオーディション番組が他の動画サービスに比べて豊富です。
また、「乃木坂スター誕生!」や「ノギザカスキッツ」など乃木坂系の関連番組が多く配信されています。
プライムビデオでは、滝沢秀明が社長を務めるTOBEの初東京ドーム公演を追った「to HREOes ~TOBE 1st Super Live~」や「JO1」「なにわ男子」「=LOVE」など人気アイドルのドキュメンタリー映画を見ることができます。
また、「果汁女子」や「癒されたい美女たち」などのグラドル系バラエティも配信中です。
ネトフリは、アイドル番組が極端に少ないです。
嵐やBLACKPINKのドキュメンタリー作品くらいしか見る事ができません。
ちなみに「U-NEXT 」は、グラビアアイドルのイメージビデオ作品が見放題です。
ラインナップ比較6 アニメ、キッズ向け作品
最後に「アニメ、キッズ向け作品」を見ていきましょう。
アニメ、キッズ向け作品は好みによって変わる
アニメやキッズ向けの作品を楽しむ目的で、サービスに加入する方も多いでしょう。
このジャンルは好きな作品によって、選択すべきサービスが異なります。
例えば「まほうのレシピ」見るならプライムビデオとなりますし、「アンパンマン」見るならHuluとなります。「ヒックとドラゴン」や「フラーハウス」といった作品は、Netflixでしか見れません。
ただ、人気作品は全てのサービスで見れる事が多いです。
例えば一大ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」もそうですし、23年に話題を呼んだ「推しの子」「葬送のフリーレン」はどのサービスでも見れます。
最近になって「名探偵コナン」シリーズの映画は、Huluでも配信されるようになりました。ただし、映画公開時期に合わせた配信になることが多く、終了してしまうケースもあるのでご注意ください。
より詳しいラインナップが知りたい方は、アニメ・キッズ向け作品ラインナップ比較記事をご覧下さい。
まとめ
ここまでの比較についておさらいしましょう。
おさらい
・料金システムが充実のNetflix
・他の2つに比べて、圧倒的な安さが魅力のプライムビデオ
・支払い方法が豊富なHulu
・画質や再生中の操作性は横一列
・国内ドラマやバラエティを見るならHuluがおすすめ
・ドラマと映画をまんべんなく楽しむならプライムビデオがおすすめ
・映画やオリジナル作品を楽しむならネットフリックスがオススメ
・アニメやキッズ向け作品は、好みによっておすすめが異なる
「コンテンツ」や「料金」など、求めるものによってオススメは異なる
比較評価表でも分かる通り、ユーザーの求める内容によってベストな選択は異なります。例えば安さで選ぶならAmazonプライムビデオですし、「テラスハウス」や「フルハウス」見るならNetflixとなります。
画質や操作性などの点を気にしないのであれば、こちらの記事を参考に配信作品の傾向で判断してみても良いでしょう。
どれも1カ月で解約することができますので、細かな点が気になる方は、ぜひ一度全てのサービスを試してみてはいかがでしょうか。
「Hulu」公式ページはこちら
「Amazonプライムビデオ」公式サイトはこちら
「Netflix」公式サイトはこちら
「Fire TV Stick」「Fire TV」があればテレビで動画サービスが楽しめます
「Amazon Fire TV Stick」「Amazon Fire TV」があれば、テレビの大画面でプライムビデオが楽しめます。
Fire TVの使用レビューや商品の基本情報について知りたい方は解説記事をご覧下さい。