2015年9月にアメリカの動画サービス「Netflix」が日本に上陸してから、競争が一段と激しさを増している有料動画サービス業界。国内外のドラマや映画、バラエティなどが見放題の有料動画サービスは、これからますますシェアを大きくしていくことでしょう。
中でも人気の高い「Hulu」「Netflix」「Amazonプライムビデオ」という3つの動画サービスを、「料金システム」「操作性」「ラインナップ」など様々な項目から利用している自分の感想を含めて徹底比較してみたいと思います。
(2021年11月22日更新)
- 比較1 料金システム
- 比較2 動作環境
- 比較3 画質
- 比較4 画面の操作性
- 比較5 ラインナップの充実度
- まとめ
- 「Fire TV Stick」「Fire TV」があればテレビで動画サービスが楽しめます
比較1 料金システム
※ 新規受付は停止
利用できる機能
※ UHDとは、HDの4倍を誇る超高画質のこと
安さならプライムビデオ
「料金」で選ぶなら、Amazonプライムビデオ(Amazonプライム)がおすすめ。
「Amazonプライム会員」は年会費4900円(月408円)で見放題となります。2019年10月に消費税10%増税となりましたが、値段は変わりません。
動画の他にも「音楽聴き放題サービス」や「お急ぎ便サービス」が使い放題なので、アマゾンユーザーはメリットが非常に大きい制度です。
対象作品は少ないですが、4Kの超高画質にも対応。
30日間の無料体験が用意されていて、視聴できる作品数の制限もありません。
2017年6月8日(木)から「月額制プラン」がスタート。
月額500円でプライムサービスを利用出来ます。長期間使う予定のない方はこちらのプランがオススメ。「プライム会員」を初めて登録する方は、月額プランでも30日間の無料体験があります。途中から年会費コースに変更することも可能です。
プランが充実しているNetflix(無料体験はナシ)
Netflixは料金システムが充実しています。
「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つのコースが用意されていて、「視聴デバイス数」や「4K対応」など、ユーザーのニーズに合わせた選択が可能です。
プレミアムプランなら一気に4つのデバイスで同時視聴が可能なので、ご家族の利用ならコスパ抜群です。
「30日間の無料体験トライアル」は、2019年12月に終了となりました。
現在は、無料体験を利用する事が出来ません。
支払い方法が豊富なHulu
Huluは支払い方法の多さに魅力があります。
他の2つにはない「LINE Pay」「PayPay」などにも対応していて支払い方法が豊富なので、どんなユーザーでも使いやすいシステムですね。
携帯決済は、大手3社すべてに対応。
料金プランは1つだけなので、分かりやすいです。
無料期間は2週間。プライムビデオより短い点は少し残念。
無料期間中もHuluで配信の全作品が視聴できます。
消費税10%開始に伴い、税込み価格が値上げとなりました。
「アマゾンプライム」の解説記事はこちら
比較2 動作環境
全てのサービスでダウンロード機能が使える
対応デバイスの多さでは、Netflixが他のサービスを上回ります。
3サービスに共通する魅力は「オフライン再生」に対応している点です。
最近は、動画の視聴にスマートフォンを利用する人が増えていて、電車でもよく見かけるようになりました。
そこで気になるのがデータ通信量です。
フール―やプライムビデオ、NETFLIXなら作品のダウンロードが可能なので、通信量の心配はいりません。通勤や通学の移動時間や外出先での空いた時間に、思う存分ダウンロードした映画やドラマを見ることが出来ます。
ちなみに動画サービス「U-NEXT」もオフライン再生が可能です。
比較3 画質
3つのサービスで配信中の「SUITS」や「孤独のグルメ」といった作品で同時再生を行い、画質の検証をしてみました。また、スマホ、パソコン、テレビといった様々なデバイスで画質調査を行いました。
画質に大きな差は無い
3つの動画を同時再生して(テレビにPCを接続し、再生)、画質を比較してみましたが、正直画質の差はあまり感じませんでした。
3つどれも画質がきれいで、特に画質の悪さが気になる動画サービスはありません。
フールーとプライムビデオ、ネットフリックスの全てが4K映像(一部の作品)に対応しています。
ネトフリの場合、4K対応の作品でもプレミアムプランに未加入の方は4K動画が見れないのでご注意ください。
比較4 画面の操作性
パソコンとスマートフォンを使用して、再生画面の操作性について調べてみました。
シンプルで使いやすいHulu、字幕の切替が可能なNetflix
「Netflix」操作バー
「hulu」操作バー
「Amazonプライムビデオ操作バー」
操作バーが邪魔にならず、使いやすいと感じたのはHuluです。これは個人的な意見ですが、字幕のフォントが最も好きです。
Netflixは放送中の字幕切替が可能です。いちいち動画を閉じて切替する必要がありませんし、英語の勉強で利用する時にとても便利ですね。
プライムビデオの操作は非常にシンプル。スマホでもパソコンでも「10秒の巻き戻しと早送り」が可能です。再生中のエピソード選択や字幕の切替には対応していません。多少物足りなさを感じますね。
フールーとネットフリックスは、再生速度の調節が可能。
時間が無い方には便利なのでオススメです。
各サービスの公式ページへ移動する
「Hulu」無料体験ページはこちら
「Netflix」公式ページはこちら
「Amazonプライム」無料体験ページはこちら
比較5 ラインナップの充実度
サービス選びで最も気になるのがラインナップの充実度でしょう。
最近はどの会社もオリジナルコンテンツに力を入れており、そのサービスでしか見れない魅力的なコンテンツが増えています。
例えば、最近注目度が高まっているオーディション番組「THE FIRST」「Who is Princess」はHuluでしか見れませんし、2019年アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「ROMA/ローマ」はNetflix限定配信です。
また、上の表からも分かる通り、サービスによって「強み」や「弱み」は大きく異なります。
では具体的にどんなコンテンツが用意されているのでしょうか?ジャンル別に紹介していきたいと思います。
どのサービスも魅力的な海外ドラマ
下の表をご覧下さい。
こちらは「洋画専門雑誌『SCREEN』のwebサイト版であるSCREENオンラインが発表した『2021年海外ドラマ大賞』」と「世界最大の海外ドラマレビューサイト『IMDB』の人気ランキング(2021年11月更新)」を基に、各サービスの配信状況を示したものです。
「SCREEN Online」2021年海外ドラマ大賞の作品部門ランキング
世界最大海外ドラマレビューサイト「IMDB」の人気ランキングベスト50(2021年11月版)
※1 シーズン10は字幕のみ
※2 HuluはUK版の「The Office(シーズン1~3)」もあり、プライムビデオはそれだけある
※3 吹替版はシーズン5~10まで
その他の注目作品
海外ドラマは、正直「甲乙告げ難い」というのが本音。
昔はHuluかNetflixの二択でしたが、最近はプライムビデオも作品数が増えてきています。どのサービスも魅力的なコンテンツに溢れています。
Huluでは山下智久出演の海外オリジナル作品「THE HEAD」や2017年のエミー賞作品賞を受賞し、21年エミー賞にもノミネートされた「ハンドメイズテイル」が楽しめます。
また、SATC&ゴシップガールに次ぐ注目作と言われる「NYガールズ・ダイアリー」や人気コメディ「ビッグバンセオリー」の最終シーズンが楽しめるのはHuluだけ。
NETFLIXでは、ウォーキングデッドを抑えてドラマシリーズ総合視聴者数1位に輝いた「ストレンジャーシングス」や21年世界的大ヒットを記録している「イカゲーム」、21年エミー賞で作品賞を受賞した「ザ・クラウン」など、国内外で評価の高いオリジナル作品が楽しめます。
プライムビデオも負けていません。
2018年のエミー賞で最多5部門を受賞し、他のノミネート作品を圧倒した「マーベラス・ミセス・メイゼル」や2019年のエミー賞コメディ部門の作品賞を受賞した「フリーバッグ」、全米のAmazonオリジナルドラマ史上最高の視聴回数を記録した「ザ・ボーイズ」といった注目のオリジナル作品が用意されています。
ただ、2020年12月になって「シリコンバレー」や「ウエストワールド」といったHBO作品のほとんどが配信終了となってしまった点だけは非常に残念です。
現在多くのHBO作品が観れるのはU-NEXTのみです。
より細かいラインナップを知りたい方は、海外ドラマの完全ラインナップ比較記事をご覧下さい。
色んなテレビ局の国内ドラマを見るならHulu
主なラインナップ作品
ラインナップの充実度が高いのはHuluです。
2021年10月期スタートの「二月の勝者」や「真犯人フラグ」といった最新ドラマを筆頭に、最終回の視聴率が19.4%を記録して2019年のヒット作となり、21年12月に映画版が公開される「あなたの番です」やスピンオフドラマを見るためにユーザーが殺到して、Huluのサイトがパンクしたほど大きな話題を呼んだドラマ「3年A組」など、日テレ系ドラマが最新作から過去の名作まで揃っています。
また「きのう何食べた?(テレ東)」や「CRISIS(フジテレビ)」「SPEC(TBS)」など、色んなテレビ局のドラマが楽しめる点も魅力的です。
プライムビデオやNetflixは、Huluに比べてオリジナルドラマが多い点に特徴があります。
プライムビデオでは「勇者ヨシヒコ」や「今日から俺は」で有名な福田雄一監督のドラマ「宇宙の仕事」や三谷幸喜脚本演出で香取慎吾が主演を務める「誰かが、見ている」、Netflixでは山崎賢人と土屋太鳳のダブル主演の人気作「今際の国のアリス」やピース又吉直樹の芥川賞受賞作「火花」といったオリジナルドラマが楽しめます。
また、プライムとネトフリでは、米倉涼子主演の大人気ドラマ「ドクターX」や山田孝之主演の人気シリーズ「勇者ヨシヒコ」、佐藤二朗主演の「浦安鉄筋家族」といった民放の人気作も視聴可能です。
国内ドラマのラインナップについては、比較記事をご覧下さい。
映画見るならプライムビデオかNetflixか
続いては映画。
ツタヤレンタルDVD年間ランキングを基にした配信状況とそれぞれの注目作品を見てみましょう。
洋画ラインナップ比較
※1 Huluは「ローグネイション」まで、ネトフリは「ローグネイション」「ゴーストプロトコル」のみある
※2 「ジュラシックワールド(2015)」はある
※3 「イコライザー」はある
※4 「IT THE END」はある
※5 2019年公開の「新感染ファイナルデッド」ならある
※6 「トゥームレイダー2」までは配信中
※7 「バイオハザード」はある
※9 「メカニック」はある
邦画ラインナップ比較
※1 2020年公開の「プリンセス編」も配信中
※2 「カイジ2」までは配信中
※3 中国版はある
映画見るならプライムビデオかNetflixか
映画はドラマに比べて、どのサービスも少し物足りなさを感じます。
3つの中ならプライムビデオかNetflixが良いでしょうか。
最新の人気作で比べると、2つのサービスが作品数でHuluを上回ります。特に「洋画」はプライムビデオが圧倒しています。
Amazonプライムでは「ファンタスティックビースト」や「ジュラシックワールド」などの最新作が配信中です。
「オーシャンズ8」や「ミッションインポッシブル フォールアウト」といった作品が見れるのは、3つのサービスの中でプライムビデオだけ。「決算!忠臣蔵」や「忍びの国」といった邦画もプライムでしか見れません。
ネットフリックスも負けていません。邦画では「仮面病棟」や「銀魂2」、洋画では「ボヘミアンラプソディ」や「ジオストーム」など、他の2つのサービスにはない作品が多数用意されています。
また、2021年全米俳優組合賞で作品賞(キャスト賞)を受賞した「シカゴ7裁判」や2020年アカデミー賞で10部門ノミネートの「アイリッシュマン」といったオリジナル映画もネトフリで見逃せないコンテンツです。
他サービスに比べて新しい作品が少ないのがHuluです。
しかし、中には「キングダム」「AI崩壊」など、プライムビデオやネットフリックスで見れない作品もあります。海外作品では「ハリーポッターシリーズ」や「インターステラー」など過去の名作も多く配信されています。
個人的な意見としては、どのサービスも配信本数をもう少し増やしてほしいです。
バラエティの作品数が多いプライムビデオとHulu
プライムビデオは「内村さまぁ~ず」や「さまぁ~ずハウス」など、さまぁ~ずの人気番組が見放題。
「M-1グランプリ」「すべらない話」などお笑い番組も多数配信しています。また、アマゾンオリジナルの松本人志プレゼンツ「ドキュメンタル」や「FREEZE」、恋愛リアリティ番組「バチェラージャパン」「バチェロレッテジャパン」や「なぎスケ!」といったプライムビデオ制作オリジナル作品も充実。
バラエティ番組の作品数ではフールーが大きくリードしています。
「今夜くらべてみました」や「ガキの使いやあらへんで」「しゃべくり007」など、日本テレビの人気番組が数多く配信中。
20年年末から「世界の果てまでイッテQ」や「嵐にしやがれ」が配信も開始し、更に充実度が増しています。
また「太田上田」や「ぼる部屋」など、地方ローカル番組も見逃せません。
Netflixでは北海道の大人気バラエティ番組「水曜どうでしょう」が配信中。2021年11月22日現在、「北海道で家、建てます」「ヨーロッパ完全制覇シリーズ」など、17作品を見ることができます。21年12月からは2020年に放送された新作が配信開始となるので、どうでしょう好きにはたまらない充実度といえます。
「あいのり」「テラスハウス」など、恋愛リアリティ番組が多数用意されている点もネットフリックスの特徴です。
また、海外のスタンドアップコメディも120作品以上用意されています。
より詳しいラインナップを知りたい方は、バラエティラインナップ比較記事をご覧ください。
アイドル見るなら「Hulu」がおすすめ
アイドル番組を見るなら、「Hulu」がベストな選択です。
まずは女性アイドルについて。
人気女性ガールズグループ「NiziU」が結成されるまでの過程を追ったオーディション番組「Nizi Project」が20年話題を呼びましたが、21年もガールズグループデビューをかけて争う「Who is Princess」がHuluで楽しめます。
また、「AKB48 旅少女」や「NOGIBINGO」などのAKB関連番組や「桃色つるべ」や「26時ちょい前のマスカレイド」といった番組が配信中です。もちろん欅坂46が出演する「KEYABINGO!」や乃木坂46の「NOGIBINGO!」も配信されていて、地上波では見られない「NOGIROOM」のロングバージョンが視聴できます。
プライムビデオではフィロソフィーのダンスや仮面女子の番組、ネトフリではBLACKPINKの番組や乃木坂のドキュメンタリー映画が用意されています。
ちなみに「U-NEXT 」は、グラビアアイドルのイメージビデオ作品が見放題です。
続いて男性アイドル。
NETFLIXでは、嵐のオリジナルドキュメンタリー作品「ARASHI's Diary Voyage-」やKing&Princeなどジャニーズの人気グループの活動を追ったドキュメンタリー作品「RIDE ON TIME」が配信中。
Huluでは、SKY-HY主催のオーディション番組「THE FIRST」や東海地方発の男性アイドルグループ「BOYS AND MEN」のバラエティ番組が楽しめます。
プライムビデオでは、21年11月にデビューしたばかりであるジャニーズの7人組グループ「なにわ男子」のドキュメンタリーがプライム独占配信中です。
アニメ、キッズ向け作品は好みによって変わる
アニメやキッズ向けの作品を楽しむ目的で、サービスに加入する方も多いでしょう。
このジャンルは好きな作品によって、選択すべきサービスが異なります。
例えば「まほうのレシピ」見るならプライムビデオとなりますし、「アンパンマン」見るならHuluとなります。「ヒックとドラゴン」や「フラーハウス」といった作品は、Netflixでしか見れません。
ただ、人気作は全てのサービスで見れる事が多いです。
例えば一大ブームを巻き起こしている「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」もそうですし、21年に話題を呼んだ「東京リベンジャーズ」はどのサービスでも見れます。
ちなみにHuluは「名探偵コナン」シリーズの映画が公開される時期になると、それに合わせて過去の作品が配信される傾向にあります。もしかすると今年4月の最新作に合わせて過去作が配信されるかもしれないので、コナン好きの方は要チェックです。
より詳しいラインナップが知りたい方は、アニメ・キッズ向け作品ラインナップ比較記事をご覧下さい。
まとめ
ここまでの比較についておさらいしましょう。
おさらい
・料金システムが充実のNetflix
・他の2つに比べて、圧倒的な安さが魅力のプライムビデオ
・支払い方法が豊富なHulu
・画質や再生中の操作性は横一列
・国内ドラマやバラエティを見るならHuluがおすすめ
・ドラマと映画をまんべんなく楽しむならプライムビデオがおすすめ
・映画やオリジナル作品を楽しむならネットフリックスがオススメ
・アニメやキッズ向け作品は、好みによっておすすめが異なる
「コンテンツ」や「料金」など、求めるものによってオススメは異なる
比較評価表でも分かる通り、ユーザーの求める内容によってベストな選択は異なります。例えば安さで選ぶならAmazonプライムビデオですし、「テラスハウス」や「フルハウス」見るならNetflixとなります。
画質や操作性において細かな点を気にしないのであれば、こちらの記事を参考に配信作品の傾向で判断してみても良いでしょう。
ネトフリ以外のサービスは無料お試し期間が用意されているので、細かな点が気になる方はぜひ一度全てのサービスを試してみてはいかがでしょうか。
Hulu公式サイトはこちら
「Netflix」公式サイトはこちら
「Amazonプライムビデオ」公式サイトはこちら
「Fire TV Stick」「Fire TV」があればテレビで動画サービスが楽しめます
「Amazon Fire TV Stick」「Amazon Fire TV」があれば、テレビの大画面でプライムビデオが楽しめます。
Fire TVの使用レビューや商品の基本情報について知りたい方は解説記事をご覧下さい。